時の話題 「吉さんラジオで」
昨日午前中、運転していたところNHKラジオで歌手で作詞・作曲家の吉幾三さんが出演しており「人間というのは折々、都合の良い事を話すもんですね」と言う話を興味深く拝聴した。
「俺はぜったい!プレスリー」「俺ら東京に行くだ」がヒットしたものの低迷期にあった吉さんが路線を転換し演歌「雪国」をリリースしようとした折、「星影のワルツ」「北国の春」などヒットした演歌の重鎮千昌夫から「絶対ヒットしないから止めておけ」と忠告されるも「雪国」は大ヒットし、その後千は自らの過ちを認めず何やかや御託を並べたことから「人の物言いは信用できない」と思ったというエピソードを紹介していた。
民謡歌手を父に持ち声量豊かで演歌向きの吉さんに対し、千はライバル視したのか、はたまた本当に売れないと思ったのか。
我々会社勤めの者と比べ自分の力だけをよりどころとする歌手の世界はヒット曲に恵まれなければ墜ちて行くだけである。実力があっても運に恵まれなければ北島三郎、五木ひろし、そして千、吉のようにはならない。
それだけ大変な世界ということだ。
安穏と言わずとも勤務していれば給料が当たり、食べる分には困らない世界で過ごしていると、自分が送っている世界が絶対的価値感を持つようになり安易な判断をし生きていくのが人間の習性であるようだ。
ポテンシャル(可能性)が高いと言うのは政治家の社交辞令であり、政事を司る政治家は可能性だけでは飯を食べれないこと肝に銘ずるべきだ。