影響、多方面に及ぶ 市長答弁 市議会一般質問 処理水放出での中国禁輸措置

 市議会一般質問2日目の21日、千葉、佐藤中村、田端4議員が質問に立った。
 東京電力福島第一原発の処理水放出に伴う稚内での水産業への影響について、千葉一幸議員(志政会)は▽ホタテ・ナマコ生産に係わる業界の影響▽生産者や加工業者への状況把握▽生産者や業界を守るための検討事項などを質問した。
 これに対し工藤市長は処理水の海洋放出予定が明らかになって以降、生産者や水産加工業者だけでなく運送、資材など様々な分野に影響が出ていると捉え訪問や電話など聞き取りによる状況把握を行ってきたとし、影響についてホタテは7月以降から価格の下落が始まっており、その後の推移を注視している。ナマコに関しては今年の漁期の関係で大きな影響はなかったものの秋サケなど今後どんな影響が出るかは不透明の状況。
 水産加工業者は中国向け輸出ホタテのキャンセルで数百トン規模の在庫を抱え、輸出先の変更を検討している事業者もあり、大きな影響が出ていると認識している。輸送を扱う業者など他の業界を含め更に影響が広がることを心配しているーと述べた。
 稚内市の対応について中国による日本産水産物輸入の全面停止に伴う影響への対策として去る14日に宗谷地域総合開発期成会とオホーツク圏活性化期成会と合同で北海道知事に対し要望したほか、期成会などの関係者が北海道議会(20日)、国(21日)などに対しても要望を行っていると答えた。
 千葉議員は令和12年11月末までが埋め立て期間の一般廃棄物最終処分場について質問。ごみが現在、計画値より8%多い状況について工藤市長は、コロナ禍のため在宅時間が増え物置など解体や家財整理が進んだことや大型建設事業により交流人口が増えたことなど計画段階で想定していない廃棄物の発生に加え、未だ徹底されていない生ごみや資源物の分別状況などから計画値より高く推移しているとし「供用開始から2年半が経ち、様々な状況の変化も落ち着いてきた。皆さん1人ひとりがごみの減量と分別に徹底し取り組んでいくことで、10年間の埋め立て期間の予定に大きな影響を及ぼす判断はしていない」と、ごみ処理が安定的に行われるよう取り組んでいくとした。