時の話題 「町内会の在り方」

 ひばり町内会の創立40周年記念式典に招かれ出席し、緑地区発展の歴史を改めて知ると共に、沖底漁華やかりし頃の人口膨張によるベットタウンひばりが丘団地造成を受けた同町内会の古い因習にこだわらぬ精神を垣間見た思いがした。祝賀会での婦人部会員によるフラダンスと、そのカーテンコールにその思いを見た。
 ひかり町内会から分かれ昭和58年に結成された同町内会は、当初の393世帯が今では1150世帯まで増え町内会として3番目に大きい町内会だ。同60年には、ひかり町内会(佐藤忠男会長)と共有する町内会館みはらし会館を建て現在に至るが、沖底業界などの衰退に伴う稚内全体の経済縮小と少子高齢化はいかんともしがたく同町内会の世帯・人口とも減少傾向に歯止めがかからない状況にあるという。
 然しながら自主防災組織を立ち上げるなど町内住民を災害から守る対策を打ち出し、稚内市の友好都市石垣市の平得公民館地区との交流を独自に行うなど稚内にある町内会として先進的役割を果たしている。
 人口・世帯が減れば町内会活動も従前通りでなくなる。敬老の日の町内会単位の催しや贈呈など止める所があるとの話も聞く。
 商店街だけでなく住宅街も空き家が目立つようになった。今後の町内会を考える時、縮小するのが致し方ないとはいえ向こう三軒両隣りの関係が希薄になるのは淋しい。
 家族の次に稚内の礎になっている町内会活動が停滞している現状を鑑みる時、ひばり町内会の活動が未来を予兆している気はする。