時の話題 「ジェンダー平等」
ジェンダー平等と言いながら社会的な性差は大きく、過日あった札幌地裁の判決には正直がっかりした。元道職員の女性がパートナー(女性)の扶養関係を認めないのは憲法の下の平等ではなく扶養手当、慰謝料など損害賠償した訴訟の判決があり、地裁の判事が「同性のパートナーは扶養関係となる配偶者にはならない」と請求を棄却したものだが、不当な判決といっても過言でなかろう。
他の都県では同性でも扶養手当を支給できる自治体があるが、道の給与条例は今の民法を前提しており婚姻は異性間に限るというのがこの判事の指摘なのだが、社会的・文化的な性差のないジェンダー平等の観点から納得できるものでない。
原告は控訴せず、鈴木知事は判決に納得するコメントを発表したが、原告、知事とも一言で言うと弱腰でないのか。原告はとことん裁判を続けるべきだし、問題提起された知事は「今後、善処して参りたい」などコメントを発表しても罰は当るまい。
個人的な昔話をさせて戴くと、小学生の頃体は男だが女言葉を喋る同級生がいた。その人がその後どう生きたか知ること叶わずもジェンダー平等とは相容れない境遇にあったのではと想像する。
90数%の大方の人は男女間の恋愛、そして結婚へとなるが、残る数%、いや0・数%かも知れぬが同性同士のパートナー関係もあるだろう。
判決を出した判事はそれなりの年齢と推察するが、幾つになっても判事たる者社会での平等という観点で物事を判断するよう努めるべきではないのか。