時の話題 「大相撲始まる」
大相撲九月場所とラグビーW杯が始まり、W杯日本対チリ戦が行われたことから筆者が毎週楽しみにしているNHK大河「どうする家康」が休止された。
大相撲は入幕1場所目の先場所、優勝争いに絡んだ伯桜鵬が左肩の手術によって休場したのは返す返す残念だが、初日はモンゴル出身の霧島(大関2場所目)と豊昇龍(同1場所目)が順当勝ちし、関脇に昇進した琴の若も強い取口を見せ、この3人が場所を引っ張ることだろう。
先場所全休し角番の大関貴景勝は勝ち越すのも微妙なところで、先場所大関に同時昇進かと目された大栄翔と若元春の関脇2力士は程々の成績は残すだろうが、大関取りは至難と思われ、むしろ元大関朝乃山の方が可能性あるか。
伯桜鵬はケガの回復次第というところで〝未完の大器〟というところか。その一方、横綱照ノ富士はそろそろ引退か。
この1年ほどの相撲界を見て思うのはモンゴル出身の力士の剣が峰での強さであり、彼ら2人を凌ぐと目される伯桜鵬に期待したいところだが、ケガによって出世の道を絶たれた力士は服部、久島海など星の数ほどおり、あとは本人の持つ天運が今後を左右する。
60年余の相撲ファンである筆者は勝負や昇進を単なるものと見ていない。角界入りした若者全員が持つ青雲の志を誰しも成就するわけでなく夢破れる方が圧倒的に多い。もがき苦しみながら頂点に達する力士には人智を越えた神懸り的な力を感じる。
人生の縮図とも言えよう男の修羅の世界には圧倒される。