時の話題 「役員ほど辛いもの」

 どうも勘違いしている人が多いようだ。役所でも民間企業でも俗に偉くなるほど責任が増し平(一般職員・社員)の時より格段に重荷が増えるのだが、上になれば楽できると安易に考えている人がいる。
 戦後、欧米各国に追いつき追い越せと経済急成長時代を突っ走ってきた日本は1990年以降変に安心してしまい日本がリードした先端的分野でも他国に追い越され、いわゆる〝失われた20年(30年)〟を過ぎ行き着いた先がほとんど全てが劣等国に甘んじるほどの体たらくとなった。
 池田勇人や田中角栄両総理のような明確な日本躍進策を持たず、権謀術数あったろうが惰性ゆえの漫然をもった日本国トップのせいもあるが、松下幸之助らきら星のごとくいた経済界も2代、3代目と時を経るのち、巨星は現れず、その弊害がいみじくも現出した成れの果てが今の日本であり稚内なのであるまいか。
 トップによって国は変わり、同じことは稚内市のような地方都市にも言え、それは為政者だけの問題でなく経済人など取り巻く顔触れによっても変わる。
 結論を先に言うと役職が上がれば上がるほど精神的重圧含め仕事の質と量は増え、幻想抱くような楽はできないということだ。
 この傾向はぬるま湯体質にある組織にいた人ほど多数を占め、その裏返しとして一般勤労者は懸命に働き理不尽な会社の仕打ちに耐え自らの仕事を全うすべく精励している。
 零細企業が多い稚内にあって変な意識は企業ばかりかマチを潰してしまう。生きるのは生易しい事ではない。