熱中症警戒アラート 宗谷地方に初発令 開運で2年ぶりに真夏日

 気象庁と環境省は24日午前5時、宗谷地方で24日に熱中症の危険が特に高まるとして「熱中症警戒アラート」を発表した。
 宗谷に発表されるのは一昨年4月の運用開始以来初めてとなる。
 22日以降、最高気温が平年より8度前後高い状態が続いている稚内で24日午前10時半過ぎ、開運の気温が30・8度まで上がり、2021年8月7日以来、2年ぶりに真夏日を記録した。声問31・1度沼川30・6度、宗谷岬は30・4度まで上がった。
 稚内駅前広場の温度計は24日午前10時半過ぎ、31・8度を観測。気象台の観測地点より1度高かった。
 利礼観光をするため1週間ほど前に稚内入りした韓国人男性(41)は「先週、稚内に来た時は25度で涼しかった。暑くて辛いです」と温度計の数字をスマホで撮影していた。

「シカも海で涼む」

 前日の23日に30・5度の真夏日を記録した宗谷岬で午後、シカの群れが涼を求め海に入っている珍しい光景が目撃された。本紙に写真を提供してくれた読者は「暑さで涼しむため海水浴しているように見えました。回りにいた旅行者は皆さん珍しそうにその光景を写真を撮っていました」と話していた。
 熱中症アラート発表を受け、市内の中学校では23日に続き24日も部活動の中止を決めた。市教委によると、小学校では外で体育を予定していた学校は室内の体育館で授業をするよう対応を講じた。
 気象台などは熱中症予防として▽外出はなるべく避けて特別な場合以外は運動を行わない▽室内をエアコンや扇風機などで涼しい環境にして過ごす▽のどが渇いていなくても定期的に水分補給をするなど、対策を徹底するよう呼びかけている。

史上初めて熱帯夜 夜も25度下回ることなく
 稚内地方気象台によると、23日は一日を通じて開運の最低気温が25度(平年値16・9度)を下回ることなく、1938年の統計開始以来の観測史上初めて熱帯夜を記録した。
 23日午前3時49分、最低気温が25度まで下がって以降、日付が変わり24日午前2時過ぎまで25度を下回ることがなかった。
 気象台によると、これまでの最低気温で最も高かったのは1950年8月9日に観測した24・5度が最高値で73年ぶりに記録を更新した。