悲劇繰り返さず平和希求 乙女の碑祈念祭 きのう200人参列営む

 第61回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭が20日、文化センターで執り行われ、自決した乙女や旧樺太の関係者は平和への誓いを新たにした。
 コロナ禍の令和2年から3年間は規模を縮小して開いていた平和祈念祭だが、今年は4年ぶりに通常開催し、実行委ら関係者200人余りが出席した中、樺太物故者に黙祷したあと実行委員長の工藤市長が「悲惨な歴史を決して風化させることなく次代を担う若い世代に平和の大切さ、命の尊さを訴え、語り継ぎ、平和で心豊かな社会を築くために力を尽くすことが犠牲となられた御霊に報いるべき道であり我々の責務でもあります」などと式辞を述べた。
 鈴木道知事(代理・武田敦宗谷総合振興局くらし・子育て担当部長)、鈴木茂行市議会議長ら来賓4人が慰霊と平和祈念の言葉を述べたあと、九人の乙女の肖像画が飾られた祭壇に工藤市長らが花輪、参列者が一輪菊を捧げ、北海道詩吟連盟稚内支部の献吟、稚内フラウエンコールの合唱があり、最後に稚内大谷高吹奏楽部が「主よ人の望みの喜びよ」など2曲を演奏し、九人の乙女や樺太で亡くなった日本人の冥福を祈ると共に世界の恒久平和を願った。

 九人の乙女の同僚として元真岡(現ホルムスク)郵便局勤務していた金川一枝さんの娘で九人の乙女の物語を全国各地で舞台公演している愛宕劇団代表の中間真永さんは「世界に目を向けると平和への課題が残っているように感じます。演劇などを通してこれからも若い世代に戦争の悲惨さ、平和の大切さを訴えていきたい」と話していた。