時の話題 「終戦記念日」

 あすは終戦記念日である。太平洋戦争で亡くなった御霊の冥福を祈り全国で戦没者追悼式が執り行われる。稚内でも文化センターで営まれるので市民に正午を期し黙祷することお薦めする。
 ところで過日、太平洋戦争中の召集逃れのため何か良からぬ薬でも飲み病弱を装う―などと小欄で書いたところ、他界したが従軍しシベリア抑留の経験もあった父を持つ女性から電話があり「あれはいけません」と注意された。
 その女性の父親は生前中、戦争のことは一切話さず、ただ一言「そういう教育を受けた」とぽつんと話していたという。
 今、ウクライナ、シリアなどで戦火を交えているが、思うに好きで人間同士、殺し合いをする人はいない。ロシアに侵略されたウクライナは国のため国民こぞって戦う一方、若いロシア人は兵役逃れのため国外に出る人が跡を絶たないという。
 とはいえどウクライナはもとよりロシア人も愛国心を持ち対する国の民と戦わなければならない事態に追い込まれている。
 電話の女性の父親のよう人と人が殺しあう苛酷な体験した人は戦争の経験を語りたがらない。人間として有ってはならない行為だとの反省から口をつぐんでしまうのだろうか。
 人間の戦争好きは古代からの事であり今後もこの世から戦争は無くならないであろう。とりわけ今の戦争はミサイル、戦闘機・戦車に加え核攻撃さえ可能な布陣にある。平和を希求するのは我々の責務である。しかし現状を見る限り言うは易し行うは難しの状況である。人間は愚かだ。