時の話題 「トップたる者」

 稚内印刷さんが今年創業100周年を迎えた。この機を折に社長を替え父君(会長)らが30代の青年社長を支える体制にした。
 紙の需要が減りペーパーレス化が進展し企業のコマーシャルちらしも漸減傾向を辿る中印刷業界は苦難の時代を迎え身内以外の社員を抱え営業しているのは稚内印刷と国境㈱くらいしかなく、ほかは一口で言うと家内工業の域を出ず細々とやっている。
 細々と―という意味合いでは小紙も変わらず、人口減と世帯の高齢化によって部数は減り止むを得ず今年4月に月極め購読料を100円値上げしたところだが、厳しい経営は続いている。
 ニシン漁で栄え沖底漁で我が世を謳歌し、その後、サハリンとのタラバガニ交易が稚内経済をけん引してきたものの、稚内を離れる人は後を絶たず(年間600人にもなる)経済パイが縮小する一方にある現状に政治や経済界の要職にある人達は抜本的対策を実行しようとしない。これは正に不作為である。
 上に立つ者が行わなければならないことは市民や社員のことを考えることである。どれほどの政治家や社長がトップたる考えや行いをしているかは容易に語れない部分はあろうが、やれるのにやらない不作為は日本を、マチを、会社を駄目にしてしまう。
 驕る平家は久しからず。栄華を極めると言っても50年はない。260年もの安泰の世を作った徳川家康は頂点に到達するまでの辛苦は並大抵でなかった。鎖国と参勤交代を強いる大名制といい卓越した政治態勢を敷いた知恵が成したものだ。

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