時の話題 「侮辱なきよう」

 昨日朝、朝日新聞を読んでいると小学校長を退職した高齢の男性がアルバイト先で若い社員から「学校で言われましたよね。1回しか言わないのでよーく聞いて下さい」と言われたという文章を読み思わず声を挙げてしまった。「自分が現職時代に繰り返してきた言葉をこんな形で聞くなんて」と述懐する。
 歩いていた道すがらの作業現場で先輩社員から「さっき言っただろう。何回言わせるんだ」という怒気を含んだ言葉を浴びた人はムッとした表情だったのを一瞥した。
 どの職場でも2回言わないという事が常套句になっていることにパワハラとまで言わないが上司が部下に対し自分という存在を認識してもらう安っぽい言葉のような気がする。
 昔は定年退職する60歳の人達はお爺さん・お婆さん然としていたが、今では着る物のせいもあるのか若々しい人が多い。筆者自身も60歳過ぎ年取ったという実感はなかったものの、65歳を過ぎると実感どころか至る所で年の弊害に直面し人生が短くなってきた事を悟るようになる。
 幸い65歳過ぎても同じ職に就かせてもらっているが、定年退職し第二、第三の人生を歩む人には冒頭のような事が多かれ少なかれ有り苦労しているだろうと推し量っている。
 若くても直ぐ中堅となり重職に就き定年退職し、次の人材が社会経済活動を引き継いで行く。光陰矢の如しである。
 幾つもの歳月を重ね社会が、会社などが保たれて行く訳だが、先人の労苦の上に社会・会社があること肝に銘じ高齢者に侮辱なきようしたいものである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です