時の話題 「工藤氏4選」

 稚内市長選は現職の工藤広氏が4選を果たした。「しがらみ政治打破」を訴えた佐々木政美氏は涙を飲んだ。
 工藤氏の勝利は知人の札幌在住のジャーナリスト曰く「鉄板」だったと言えよう。土建業界を中心にした経済界ばかりか自民党に加え、敗退した佐々木氏がきょう早朝、「敗因は立憲民主党が相手候補に推薦を出したことに尽きる」と小紙にFAXを送信したよう立憲民主党が相乗りする推薦を出したことが影響したのか。
 5つのゼロなど〝10の約束〟(公約)を掲げた工藤氏は朝早くから選挙カーに乗り支持を訴え、遊説車を降りたあとも夫人と共に街頭を歩くという選挙運動を展開したよう選対本部同様緩みなく投票日を迎えた。
 副市長時代から工藤氏の人となりを見てきている筆者思うに真面目な人である。恩義を大切にし過ぎる所があり佐々木氏から「しがらみ政治」と批判されたのだが、真面目ゆえの対処とも言え、市民はこの3期12年間の安定した政治を評価したのだろう。
 片や3184票まで詰め寄った佐々木氏の健闘も称えなければなかろう。有力な支援者なく孤立無援と言っても過言でない情勢にあって、6千票に得票数を伸ばしたことは彼の本人の主張に加え工藤市政に不満を持つ〝見えない勢力〟が存在することも裏付けた。
 市長選は一騎打ち、市議選は定数18に対し23人立候補するという激戦だったにも拘らず投票率が前回を4㌽以上も下回る59・75%だったことは稚内市民の政治への無関心さを窺わせるもので反省しなければならない。

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