時の話題 「人との別れ」
19日にあった三水会は12人もの新会員が着任のあいさつをした。生まれも育ちも稚内という人もいれば、東京など道外から赴任して来た人などおり自己紹介兼ね挨拶していた。
これまでの着任あいさつと言えば稚内の風の強さに言及する人が多かったが、今年は風の強さに触れた人は一人もおらず、赴任する前に前もって(風の強さの)気持ちを整理してきたのか、それとも敢えて指摘するまでもなかろうとの諦観もあったのか等々、訳は知らねど「風のマチ稚内」の評判と存在を認めたからこそ、ある意味余計な事の範ちゅうになる物言いを止めたのかなと、当方勝手に推測している。
風もそうだが、先日の罰当たりな雪のよう厳しい気候への気構えが年と共に薄れてきている。「何処か暖かい所に行き穏やかに暮らしたいね」と妻に言う回数が増えている。
転勤して来る方々と違い数年我慢すればいいとの話でなく、今までそうであるように恐らく鬼籍に入るまで稚内で暮らさなければならない地元の人間として「何処かは」は現実を束の間忘れさせる逃げ口上なのであろう。
三水会では転入あいさつする会員が多いこともあって当初、離任挨拶する予定だった道新の稚内支局長が挨拶を辞退した。個人的には肝胆相照らす機会は少なかったが、彼の前途を祝し懇親の場を設けることにしている。
永い人生の一こまとはいえ縁あった人との別離は寂しいものがある。異動がないので見送るばかりではあるが彼の地で知り合いだった人が活躍するのは残されてばかりいる筆者にとっても喜ばしい。