市長選 佐々木政美氏がJR宗谷線維持などの公約を発表
市長選への出馬を表明した佐々木政美氏(59)が13日、稚内軽量運輸(はまなす5)で政策を発表する会見を開き、JR宗谷線の維持、新庁舎をアーケード街に建設する街の再生計画など5つの公約を発表した。
佐々木氏は①市民の所得を増やす②皆んなが豊かに暮らせるようにする③次世代に負担を残さない④人生最後まで稚内で暮らせるようにする⑤子どもを産める環境にする柱に据え市民との約束にしたいと語った。
JR宗谷線の維持については、JRと沿線自治体で今年度中に線路の継続かバス路線への転換かの結論が求められているが、国会質疑で2024年問題のためモーダルシフト(貨物の鉄道輸送など)を進めるとしていることから、まずはバスの実証実験を白紙に戻し、存続への議論に転換させる▽土石流の危険地域で新庁舎を65年以上使用するのは被災するリスクが大きく周辺住民を危険に晒すことになる。アーケード街は今のままでなく市庁舎と飲食店などが入居する複合施設として次世代に引き渡す▽ふるさと納税の寄付目標額を100億円とし、返礼品出荷額の増加、旅先納税で観光客の地元消費を増やすことで従業員の所得向上▽ノシャップ〜坂の下までの津波避難道路、Jアラート発令時の避難先、平常時は観光トンネルとして一石三鳥の役割を担う稚内公園まで繋がる防空壕型津波避難観光トンネル建設のための調査▽世帯収入600万円以下の子育て世帯を対象に0歳〜大学卒業まで一月2万円の子育て支援給付金の支給▽酪農支援策として、天北地区の酪農地帯に今後、600基の建設が計画されていることを受け、風力発電事業者から得られる固定資産税の2割程度を周辺住民に還元し、営農支援から牧草地を活用した収入支援へのシフトする再生可能エネルギー立地給付金制度の設立▽人手不足対策として水産加工場での省力化機器設備の導入補助、稚内市版短時間バイトアプリの導入、市職員の労務環境を改善した上でアルバイトを解禁し、民間小売業や観光産業で短時間のアルバイトで業務を支援する▽札幌、旭川など医療通院者の交通費宿泊費補助▽スーパーがすでに行っている配達サービスを維持するための支援▽年金受給などの相談を受けられるファイナンシャルアドバイザー事業▽カーリンング場の営業を冬季間(11〜3月)だけにする▽稚内ゴルフ場をPG場に転用する―など具体的施策を明らかにした。
JR宗谷線の存続について佐々木氏は「国の動きなど踏まえ振り出しに戻す必要がある。廃線が決定されると後戻りできない。北海道の公共交通機関を支えるには、目的税などの導入で都市間バスの利用客か事業主に幾らか負担してもらい線路維持費などに当てていく必要があると思う」と述べ、新庁舎の建設には「過去の大雨での土石流被害など見ても危険地域に建設するのはあってはならない」と強く訴えた。
稚内での女性の平均寿命が全国ワースト2位で高度な医療を受けるため札幌などに行かなければならないことに対し「元々は行政が3次医療機関を置かなかったことに責任がある。医療支援に関しては市長の給料を投げ出してでも絶対に実現する。お年寄りが最後、住み慣れた街で過ごしたいという思いは本業(運輸業)の経験から分かっている」と強調していた。