時の話題 「再生した副港市場」
稚内にとって懸案の一つだった副港市場内の「港のゆ」は、全国で温泉施設など展開する民間会社が稚内市の指定管理者として運営し市民の評判も上々のようだ。
港のゆは、稚内副港市場の中核ともいえる施設で中田組が経営してきたが、1年ほどの休業のあと市場全体を稚内市に無償譲渡したことから事が動き、1階の市場棟は魚常明田鮮魚店が指定管理者として運営することになり、港のゆも猿払村出身で稚内にも親戚がいるなどして深い縁がある鈴木皓雄さんがオーナーのフィル&スマイルという会社が指定管理者となり10月末に再スタートを切った。
オープン前に市民を無料招待するなどPR策が功を奏したのだろう、新しい港のゆは以前にも増して入浴客が増え上々な滑り出しのようである。
このように港のゆ始め副港市場が活況を呈するようになったのは中田伸也社長から無償譲渡された工藤市長が夫々の運営を託す指定管理者制度を運用した結果であり、とどのつまり中田社長の「市に託したい」とする英断が活路を開いたものであり評価したい。
市場の休業以降、中田社長は善後策を講じるものの、コロナ禍とあって譲渡先が見付からず途方に暮れていたが、「副港市場は稚内観光の中核施設だ」と企業(中田組)としての損益より稚内全体を考え中田社長が決断したのであろう。
人口減少の稚内での複数の温泉施設是非論はあるだろう。市民の憩いの場としてでなく観光全体を考える時、港のゆ含めた副港市場は無くてはならない施設になるに違いない。