信金景況調査 建設、運輸が低調 製造、サービスは改善傾向
稚内信金は、7~9月実績と10~12月見通しをまとめた景況レポートを作成し関係者に配付した。
稚内市など宗谷管内と天塩、遠別、雄武の13市町村の企業191社(回答数99・5%)への金庫職員聴き取りとウエブでの感触調査をDI値としてまとめたもので、7~9月期実績については製造業サービス業が改善傾向を示す一方、資材や原油の高騰により建設業、運輸業が低調に推移しているとした。
10~12月期は物価上昇・原油高などの影響で収益見通しが厳しく閑散期に向かい売上・受注とも低調な見通しにある。
7~9月の全業種売上額は2・6(前年同期対比7・8㌽上昇)収益はマイナス9・4(同1・5㌽上昇)だったが、今年4~6月に比べると売上6・2㌽、収益3・2㌽ともに悪化している。
▽製造業 受注額20・6(同8㌽低下)、収益5・9(同8・4㌽低下)と軟調に推移し、業種ごとでは水産加工が受注・収益とも良好で、食品部門の受注も改善する一方、原材料費高騰で土石・骨材部門は受注・収益とも低調。
▽卸・小売業 売上9・8(同19・6㌽上昇)、収益マイナス11・8(同4㌽低下)。供給制限が続く自動車部門は収益が低下する一方、食料品、衣料品スーパー、コンビニは売上が改善。
▽サービス業 売上22・4(同40・8㌽上昇)。収益10・2(同28・6㌽上昇)。旅館・ホテル、飲食店は売上・収益とも改善する一方、原油高、資材高騰など物価上昇を受けクリーニング、自動車整備、福祉・介護部門は軟調に推移。
▽建設業 受注マイナス35・3(同17・7㌽低下)、収益マイナス41・2(同14・7㌽低下)。資材の入荷遅延での工期の遅れや資材高騰、原油高を背影に全部門で悪化。
▽運輸業 売上マイナス30・8(同30・8㌽低下)、収益マイナス30・8(同7・7㌽上昇)。依然として低調で、一般旅客は経済活動の正常化により前年同期と比べ改善する一方、貨物部門は売上収益ともに悪化。
経営上の問題点として①人手不足②仕入商品・原材の値上がり③売上(受注)の減少④人件費以外の経費の増加⑤工場機械・店舗狭小老朽化を挙げる。
10~12月期の全業種見通しは、物価上昇、原油高の影響が懸念され収益の低調が見込まれ、各業界とも閑散期に向かうことから売上受注とも前年同期に比べやや軟調になるのではと見ている。
当面の重点施策として人材確保(22%)、次いで経費節減(18・6%)、販路拡大(9・6%)など。