地域の支え不便なく 北地区独居老人 28日夜に報告会 勤医協医院で実習する村上さん

実習で得た北地区の高齢者の医療など状況を報告する村上さん

 道北勤医協宗谷医院で実習している慶應義塾大学医学部の村上太朗さんによる稚内実習報告会が28日夜、文化センターで開かれた。
 宗谷医院で10月3日から外来で実習をしている村上さんは、北地区に焦点を当て地域の課題や将来について住民や企業などと意見交換し、課題やその解決策を提案しようと地域診断の研究に取り組んできた。
 参加した市民ら50人を前に、勤医協の橋本専務理事が「村上さんの報告会を一つのステップにし、行政と協力し街づくりする一助にしたい」と挨拶。続いて来賓の工藤市長が「医療の方の目線から稚内のことを研究して頂いた。この縁を大切にまたお会いしたい」などと述べた。
 村上さんは、北地区で高齢者の単身世帯が増えているものの、地域での支え合いによって生活は意外にも不便な状況にないことが分かったとし、医療体制については自宅で最期を迎えたいという患者さんの要望に寄り添った医療をしているなどと説明する一方、女性の喫煙率が全国と比べ2・2倍あることや塩分を多く摂取しているためなのか血管系の疾病で亡くなる人が多いという課題も挙げていた。
 村上さんは、各地から医学生など呼ぶ学生のフィールドワーク(野外研究)推進都市めざし「繋がりを大切に学びながら街のファンになってもらうことで将来の医療従事者も増えるのではないか」と現下の医療スタッフ不足について指摘していた。  (寺本享平)

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