際立つ人手不足 商工会議所合同部会 インボイス制度の懸念も

 稚内商工会議所は去る18日と24日に開いた5部会合同会議での意見をまとめた。2日間で40人ほど出席した。
 それによると▽小売業はコロナ禍にあってさほど影響がなかった業種だが、今は仕入価格の上昇を販売価格に転嫁できない厳しい状況にある▽来年から始まるインボイス制度は食品小売業への影響が大きく、高齢の事業主は制度の煩雑さから廃業に向かう事態を生じるので制度周知で安心感を持ってもらう必要がある▽観光は昨年度と比べると順調に回復しているが、コロナ第7波よってキャンセルが多くなっている▽イベントは従前の7~8割程度に戻りリニューアルした文化センターの利用も増えている▽観光客に昼食・夕食難民が出ている。コンビニ弁当で済ませている実態がある▽人手不足で悩んでいる企業が多く後継者不足も深刻で、廃業すれば稚内から業態そのものが無くなるという段階にある。他の地域から業態店・業者を呼び込むサポートをして行かなければならないのでは▽建設業も人手不足で技術者がいない。就活サイトや企業説明会に参加しているが、活用費が高額の上、お金を掛けても人が来ない。来年4月から新人社員を対象に学費を負担してでも専門学校などに通わせる取り組みを始めたい▽原材料費の高騰で住宅の着工・建設に影響が出ており着工件数も減少している。公共事業は比較的あるが働き方改革などにより完成が遅れ発注者に迷惑をかけている▽ホタテ、サケの水揚げが好調で魚価も高く、コンブは取扱量減るも高値で推移するなど一次産業は安定している。地域としては人口減もあり漁業に就業する若者がいなくなることを懸念している―など。
 合同部会の意見など踏まえ、商工会議所として「今後、コロナのゼロゼロ融資の返済が始まり、来年にはインボイス制度導入と決して明るい状況ではないが、各会員事業所の個々状況に則した伴走型の経営相談など実施していきたい」(土門常務理事)としている。

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