時の話題 「鉄道150周年」
明治以降、日本発展の礎を築いてきた鉄路が至る所で廃線の危機に見舞われている。稚内地方も多聞に洩れず天北線(1989年廃線)に続き宗谷線も存亡の危機だ。
こうして鉄道切り捨て論が主流となる中、今年、鉄道開業し150年という節目を迎えた。新橋~横浜間で明治5年(1872年)開業したのが始まりで日本が米欧列強と肩を並べるのに原動力になったのが鉄道で、中でも石炭や農畜海産物を運ぶのにどれほど貢献したことか。
自動車が圧倒的勢いで普及しモータリゼーション革命が招来する中、鉄路敷設に躍起になった国が強力に進めたのが道路建設で、昭和39年(1964年)開催の東京五輪を前に建設した首都高速道路を先駆けに全国を網羅するように推進した高速道路を主体とする道路建設によって、ほぼ々々全国各地は道路で繋がった。
獣しか通らないのではないかとみられる地域でも舗装した国道・道道ができ、それに相乗し車の利用が増え、敵視するかのように鉄道が敬遠され、全国津々浦々で次々と廃線の憂き目に遭い鉄道は寂れる一方になった。
今、存廃が取り沙汰されている抜海駅はJR北海道にしてみれば格好の廃止対象駅となり、口火を切って他の駅に繋げゆくゆくは宗谷線(稚内~名寄間)廃止をJR北と国は目論んでいるのだろう。
国の交付金に頼る地方自治体がその大きな波に抗えるのは難しく廃線代替バス運行とか飲まざるを得ない状況にあるのが実状か。
巨大な力に下々の暮らしは不便を強いられております。