真摯な地域医療研究 勤医協医院で実習 慶應大医学部の村上さん
慶應義塾大学医学部学生の村上太朗さん(25)が、3日から道北勤医協宗谷医院で実習など行っている。
村上さんは神奈川県横浜市出身。地元で搬送先の見つからない患者のたらい回しがある現状など聞いた村上さんは、患者やその周りの家族に寄り添った医師を目指している。
今回、村上さんは勤医協の鈴木院長と縁がある慶應大学の准教授から宗谷医院を紹介され、診療の見学ほか、地域住民から聞き取りした街づくりや医療、介護などの地域課題を分析し、解決策など提案する地域診断の研究に取り組んでいる。
12日夕には、工藤市長を表敬訪問し、意見交換した。
数日間、診療実習に取り組んだ村上さんは「勤医協と市立稚内病院は連絡が密に取れており、これだけ患者の希望に寄り添っている地域は珍しい」とし、13日から地域住民からの聞き取りが始まるに当たっては「外からの視点で自分にしか出来ないことを聞き取りし結果を残したい」と話していた。
将来は病気だけでなく人の社会的背景、地域性など様々なことに着目し、地域の健康づくりに貢献するような活動ができる医師を目指したいという村上さんは「稚内は多くの人が医療に関心があると感じております。この実習を機会に自分はもちろん医学のコミュニティ含め繋がりを作っていきたい」と話していた。
30日まで実習する村上さんは、28日午後5時から文化センターで地域診断の発表会を開く。(寺本享平)