週末雑感
秋はスポーツ、食欲などだけでなく今年は値上げの季節となる。
原油、電気ばかりか土建・製造の資機材、そして食料品と、各品目を列挙すると1万は超えそうな物価高の10月である。
黒田日銀総裁のデフレ脱却し2%の物価高どころか3、4%、最終的にはそれ以上が見込まれ、故安倍元総理のアベノミクスに迎合した黒田総裁も訝しんでいるのでないのか。
コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻と予知できぬ不測の事態にあって物価高になった端緒はOPEC(石油輸出国機構)の原油生産抑制による原油高であった。原油価格の上昇によって経済が尻すぼみとなりコロナ禍が追討ちをかけ、ウクライナ戦争が拍車を掛けた訳である。
米国や欧州各国のよう7~8%もの物価高には至っていないが、米国などは物価ばかりでなく給与も上がっており、この20年以上、さほど給与が変わらない日本とのギャップは拡大するばかりだ。
給料が上がらない最大の理由は非正規職採用の広がりで、就業者全体の4割近くを占めるようになった。定期昇給・ベア、賞与がある正職員と違い最低賃金に近い安い時給で雇われるという歪な雇用環境は、物同様、人も使い捨てという経営側の思惑に通じるものであり、松下電器(現パナソニック)創業者松下幸之助氏は草葉の陰で嘆いているだろう。
世界的な競争に打ち勝つには安価な労働力で対しようという安易な考えの結果が経済ばかりでなく文化や芸術も二流国となった日本の現状なのだろう。
物事は長い目で見定めること必要だ。