昨年より悪化等73% 商工会議所影響調査結果 コロナ、原油など物価高騰

 稚内商工会議所は9月2日まで会員事業所806社を対象に行った新型コロナウイルス、原油・物価高騰での経営への影響調査結果をまとめ公表した。25・9%の209事業所から回答があった。
 昨年と比べた現況①昨年と同程度に厳しい46%(96社)②悪化27%(56社)。同程度もしくは悪化が昨年10月の2回目調査の65%を上回る結果に「影響が多くの企業に広がっている」(秋元中小企業相談所長)とした。
 その原因は①原材料など仕入価格の上昇67%(100社)②原油(ガソリン・灯油・重油等)の価格上昇63%(94社)③取引先、納品先減少による売上減少78社。売上原価、原油・資機材等の経費負担増加がコロナ禍に加えた新たな経営不振の原因に浮上した。
 昨年との売上比較では55社(26%)が増加したとしたものの、減少と答えた企業が半数の96社あり、影響の長期化を示す数字となった。
 コロナ禍前の2019年との比較では、回答企業の58%122社が減少と答え、多くの企業で以前の売上に戻っていないことを確認でき、とりわけ飲食業で9割弱、宿泊業で8割弱が減少と答え窮状の深刻さを窺わせている。
 その一方、コロナ前と変わらない、もしくは増加と回答した企業は4割弱の79社ある。農林漁業の8割、建設業、製造業の5割以上が回答した。
 現下の営業上の課題として①原材料・商品・製品等の仕入価格上昇127社(建設業、製造業、卸売・小売業飲食業など)②原油(ガソリン・灯油・重油)の価格上昇111社(農林漁業、宿泊業、サービス業など)③従業員不足92社(建設業農林漁業、製造業、サービス業など)。
 また原油・価格高騰対策として販売価格転嫁との回答は82社。35%は価格転嫁ができない状況にある。
 今後について156社は事業継続に問題ないと答えた一方、32社は「今後1年、2年続くと廃業を検討」とも回答し、飲食業での割合は5割近くになる。
 今後、国・道・市に求める支援制度は全回答企業の5割近く(96社)が答え①原材料・物流コスト等物価高騰②原油高騰③コロナ―への支援金の順となり、資金手当ての厳しさを示す結果となった。
 会議所では「経営状況が厳しい」と答えた企業が昨年10月の65%→73%に増加しており、原油はじめ各種資機材商品・製品等の高騰で経営を圧迫していることから稚内市、国・道出先機関との情報共有を図り、新たな支援策を誘導すると共に、行政からの情報をいち早く伝え、各支援機関との連携を強化して行きたいとしている。

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