宗谷岬で35㍍の暴風吹く 稚内地方で倒木など被害相次ぐ
台風11号から変わった温帯低気圧の影響で稚内は7日未明から30㍍以上の暴風が吹き荒れ、風が急激に強まった午前2時以降、街路樹が倒れるなど被害が相次いだ。
稚内地方気象台によると、南西の風が強まり宗谷岬で午前2時半過ぎ、9月としては観測史上最大となる35・6㍍の最大瞬間風速を観測。その後も声問で32・4㍍、開運30・2㍍と猛烈な風が吹いた。
市(総務防災課)によると、風が強まった午前2時以降、市民から「大黒5のバス通り沿いの木が倒れている」、「稚内中学校近くの木が強風で倒れ電線に引っ掛かっている」「車庫のシャッターが風で飛びそう」などの通報が暴風警報から注意報に切り替わるまでの午前9時前までに10数件あった。ケガ人はいない。
稚中体育館裏では暴風により根元から倒れ電線に引っ掛かっていた樹木は、専門業者によって高所作業車を使用して枝などを切り落とし応急措置された。この倒木による停電はなかった。
勢力を維持したままの低気圧の影響によりノシャップ岬から坂の下方面にかけての日本海側で波6㍍と海は大シケとなった。満潮時の午前7時過ぎには潮位が上がり、西浜漁港では防波堤を越えた荒波が何度も押し寄せていた。悪天候で7日の利礼航路は全便欠航した。
気象台によると、暴風警報は注意報に切り替わったものの、7日も陸上で20㍍前後の強風が吹き、波浪警報は夜までに注意報に切り替わる見込みだが、8日朝まで波は高い状態が続くので注意を呼びかけている。
「富磯などで停電」
暴風により7日午前3時前にかけて富磯など宗谷岬方面の800戸で停電したが、午前6時過ぎに復旧した。