時の話題 「櫻井さんに合掌」
人の気を逸らさない人だった。櫻井安夫さんが享年91歳で亡くなった。冥福をお祈り申し上げます。
三女の久子さん(現常務取締役)には櫻井さんが壮健か訊いていたが、この数年は個人的に会社(桜井電業所)を訪れることもなく安否を気づかう機会も失せてしまったが、今月26日、ご家族などの方々に見送られ旅立ったという。
毎日出社し元気だった頃には何かと可愛がってもらい、既に他界した石崎商店の石崎松男社長のことを「松ちゃんいいよな。いつもプレスの記事にしてもらい」と言っていたのを懐かしく思い出す。石崎さんとは同年齢で当時プレス社に在籍していた「宗谷岬」作詞家の吉田弘さんが友人関係にあった石崎さんの事を記事にしていたことからの発言で、その時は気付かなかったが「俺のことも記事にしてくれよ」という願望があったのかなと遅きに失してしまったが想起される。
側聞では抜海出身で船舶関係の仕事に携わる中、当時、画期的だった小型船舶の電装製品を生み出し創業したとのことで、筆者が記者現役だった頃は自民党支部の重鎮で経済ばかりでなく政治にも頭角を現し稚内の発展に尽力し、平成17年には稚内市政功労者として表彰されている。
葬儀広告にもあったよう今では数少ない創業者の一人であり、お話をする中、自身の経験に裏打ちされた蘊蓄のある言葉は半人前だった筆者にとっていかほど人生の指針となったことか。
尊顔にご存命の間に会えなかったことを悔い今夜のお通夜に参列するものです。