乙女追悼し平和誓う 稚内市主催 氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭営む
第60回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭が20日、文化センターで執り行われ、自決した乙女や旧樺太の関係者は平和への誓いを新たにした。
コロナ感染防止のため昨年と同様に今年も参列者を限定するという規模を縮小し、実行委ら関係者70人余りが出席し営まれ、樺太物故者への黙祷あと、実行委員長の工藤市長が「悲惨な歴史を決して風化させることなく、次代を担う若い世代に平和の大切さ、命の尊さを訴え、語り継ぎ、心豊かな社会を築くために力を尽くすことが犠牲となられた御霊に対し報いるべき道であり責任であります」などと式辞を述べた。
鈴木道知事(代理・村上宗谷総合振興局くらし・子育て担当部長)、岡本市議会議長ら来賓4人が慰霊と平和祈念の言葉を述べたあと、九人の乙女の肖像画が飾られた祭壇に工藤市長らが花輪、参列者が一輪菊を捧げ最後に愛宕劇団(札幌)による九人の乙女の悲劇を描いた朗読「九人の乙女・氷雪の門~命の告白~」が披露され、九人の乙女や樺太で亡くなった日本人の冥福を祈ると共に世界の恒久平和を願った。
九人の乙女の同僚として元真岡(現ホルムスク)郵便局勤務の金川一枝さんの娘で九人の乙女の物語を全国各地で舞台公演している愛宕劇団代表の中間真永さんは「乙女の関係者が私を除き今年も出席が叶わなかったことに、時が流れたばかりか淋しさを感じています。舞台公演などを通して平和の大切さを訴えていきたい」と話していた。