時の話題 「ゼロカーボン」

 20日開催の市議会総務経済常任委員会で、5月に会社設立を目指していた「北風と太陽エナジー」(仮称)の会社設立が見送られたことが報告された。
 市内で発電された電気を企業や一般家庭に販売する電気の地産地消は、稚内市が目指すゼロカーボンシティの核となるもので、ウクライナ情勢などあるが一刻も早い会社設立を願っている。
 ゼロカーボンの取り組みの一つが「メタネーション」である。これは水素と二酸化炭素(CO2)からメタンを合成する技術で、メタンは天然ガスの主成分で都市ガスはこの合成メタンに置き換えることでガスの脱炭素化が可能となる。
 メタン燃焼時のCO2はメタネーションを行う際の原料として発電所や工場から回収したCO2を利用するため相殺され実質ゼロとなる。
 また、海外で利用価値のない石炭の一種褐炭は輸送コストの問題で未利用だが、これから水素を作り、液化水素として日本に運ぶインフラネットワークを構築している。
 液化水素だと効率よい運搬が可能となるが運搬できる専用のタンカーは日本企業しか所有していない。
 2030年にメタネーションの利用開始の目論みだが、課題も残っている。製造コストが4倍、熱損失によるエネルギー変換効率は55~60%程度、合成したメタンガスタンクの大規模化等々である。
 課題解決は一朝一夕とはいかないだろうが水素とCO2から天然ガスを作る研究は、世界に先駆けており、2050年カーボンニュートラル実現に寄与するであろう。

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