時の話題 「地球温暖化」

 地球温暖化の進行により世界各地が熱波と大雨に襲われ地球が破壊されるような異常状況を呈している。日本最北にあって冷涼な気候が持ち味の稚内にあっても例外でなく、年平均気温が100年当たり約1・4度の割合で上昇しており、短時間の集中豪雨の発生頻度は30年前に比べ1・6倍に増加している。
 先週水曜日にあった三水会で中村稚内地方気象台長が講話したもので、昨夏の夏日どころか真夏日(30度以上)の多発、この数年の冬の稚内らしくない穏やかな天候の一方での荒天時の〝陸の孤島化〟する猛烈な白魔に、その徴候が読み取ることができる。
 パリ協定の2%目標が達成された場合、今世紀末の世界の平均気温は2度上昇、他方、遵守されない場合は4度上昇するシナリオにあって、宗谷地方は今世紀末に年平均で1・7度上昇し短時間降雨発生頻度は1・7倍に増え最深積雪は12%減少するとの中村台長の話を聞き、稚内にも地球温暖化の影響が押し寄せているということを認識すると共に、農業・漁業産物に著しい変化が表れていることを案じている。
 予想するにコメはそのうち道内でもコシヒカリが生産されるだろうし、温室栽培なしでも南国の果物など穫れるようになろう。
 河川氾濫によって住宅街が水浸しになることでも分かるように道路、水、電気など生活インフラが壊滅的被害を受け、その復旧に巨費を投じなければならない。そうでなくても逼迫する財政が破綻の坂道を転がり落ちる。
 地球温暖化は人間社会の根本さえ破壊しようとしている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です