時の話題 「白夜映画祭」
3年ぶりに開催された「わっかない白夜映画祭」に行き2作品楽しませてもらった。
2012年から始まり今回8回目の上映作品は話題作だけでなく秀作があり7本。このうち筆者は「旅立つ息子へ」(イスラエルの作品」と大泉洋主演の「騙し絵の牙」を連チャンで鑑賞した。
「旅立つ息子へ」はタイトルに惹かれ見たのだが、障がいのある息子の施設入所を巡る父親の葛藤を描いた作品で、親元から離れようとしない息子が施設に入所することを決断し旅立って行こうとする物語は、結局、子離れしない親をテーマにしていたか。親にとって子供は掛替えのない存在であり障がいがあるなら尚更その心情は強くなる。チャップリンの映画が好きな息子のエピソードは心を熱くし感涙ものだった。
T・ジョイ稚内のオーナー藤田幸洋氏(藤建設会長)が居合わせたので訊いてみると、上映する映画は映画祭実行委員会の横田耕一氏らメンバーが選んでいるそうで、人に知られない小品でも楽しめるのが映画祭の真骨頂といえるか。
筆者が子どもの頃、稚内には稚劇、日劇、名画座、宝劇の4館あったが、映画衰退と共に一館もなくなり、復活させたのが藤田氏だった。今は札幌に移り東映北海道営業所長を務める高橋一平氏と共に「映画の灯を再び」と開館したのが東映系シネコンのT・ジョイ稚内だった。
シネコン経営は厳しいものがあるだろう。藤田氏が男のロマンを結実した映画の灯を消すことなく後押しするのは勿論、白夜映画祭がこの先も継続開催されること願っている。