時の話題 「自死について」

 ここ数年、芸能人の自死の報道を目にする機会が増えた。
 日本民間放送連盟は民間放送の指針である放送基準の取扱いで、自死の報道が他の自死を誘発する危険性に注意を払う。著名人の場合は視聴者への影響が大きいので、取り上げ方に留意するなど求める文面を加え今月10日発表した。
 厚労省が公表した令和2年度(前年度データ)人口動態統計で自死は15~39歳まで死因第1位で、40~49歳ではガンに次いで第2位、50~59歳、3位、60~69歳第5位だったと公表された。
 自死件数は、平成15年度の3万2000人超をピークに減少し、令和3年度2万169人となっている。
 しかし、20代、30代の死因第1位は20年以上変わっていない。自死者のうち少なくとも85%以上の人は、何らかの精神疾患を抱えた状態だが、大半の人は精神科を受診していない。自死する人はメンタルが弱いとの誤解もある。
 原因は年代によって異なるが、〝コロナうつ〟との言葉が示すようにうつが密接に関係しており、健康、経済・生活、家庭、仕事のほか学校や友人関係などの問題が複雑に関係し、一人で悩んだ末にうつ状態に陥る。
 稚内市内では、令和元年度4人、2年度7人、3年度8人で2年度は40代以上だったが3年度は20代、30代が各1人含まれている。
 自死の原因は知ることは出来ないが、生き辛さを感じ自死を考えた時、苦しんでいるのは自分だけではないことを知り、一人で悩むことなく家族や友人、または専門の相談機関に連絡を。

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