返礼品で産地偽装発覚 利尻ウニと偽りロシア産混ぜる
利尻町は10日、ふるさと納税の返礼品になっている冷凍エゾバフンウニの一部に、産地偽装品があることを発表した。
利尻町のふるさと納税協力事業者で、利尻町に工場を所有するカネマス上田商店(本社厚岸町)が返礼品として今年1月に出荷した冷凍パックウニ、冷凍折りウニ約3000件のうち、400件分に利尻産以外のロシア産ウニを混ぜた。
10日、宗谷合同庁舎で会見した上遠野町長らによると、昨年12月から今年4月にかけ上田商店が提供する返礼品に対し「甘味がなく苦い」、「パサパサしている」などとのクレームが20件ほど町などに寄せられ、役場関係者らが抜き打ち検査を行ったところ、品質に問題があるとして出荷を停止。町などとの話し合いで偽装を一旦は否定していたが、その後偽装を認めた。
上遠野町長は「長い時間をかけウニの安定生産に漕ぎ着けた努力など壊されたことに憤りを感じる。寄付してくれた皆さんの思いを考えると謝っても謝りきれない」と怒りとやり切れない思いをあらわにしていた。
町は偽装が分かった6月3日付けで上田商店の協力事業者登録を取り消し、他の協力事業者10社に対し品質の徹底など呼び掛けた。
対象となる寄付者2934件に対しては、希望者に寄付金の全額を返金する旨メールと郵送で通知した。
「辻井振興局長が適正運用求める」
利尻町でのふるさと納税返礼品の産地偽装を受け、辻井宗谷総合振興局長は、管内市町村に対し、ふるさと納税に係る適正な運用を求める文書を送付した。
ふるさと納税の返礼品に関し、適正を欠く事案が生じました。返礼品について地場産地基準に適合していることの確認など、適正な運用に努めていただきたいなどとする通知を出した。