時の話題 「不遜な発言」
コロナ禍という未曾有の状況下、物価が上がり国民は辛酸を共にしているというのに黒田日銀総裁の物価高許容発言が批判に晒され謝罪に追い込まれるという事態は、一般国民と高給を貪る人達との乖離の程を窺わせるものとして物議を醸している。
米国など諸外国は利上げし金融引き締めを進めているのに頑として金融緩和を続行する日本。黒田総裁は物価の2%高と共に給料が上がり日本経済が好転するとの考えに固執している人で、国が発行する赤字国債(借金)を際限なく買い支えようとする姿勢を日銀OBでさえ批判している八方塞りの中での国会での発言だけに「この人に日銀総裁を任せていいものか」との疑念を抱かせている。
黒田総裁なりに現状の物価高をある意味、金融のプロとして主張したのだろうが、「家計の値上げ許容度は高まっている」というのは訳が分からないばかりか、理解できたにしても国民の生活実感からは懸け離れている。
高みに居て庶民の生活を知らない安倍元総理と歩調を合わせ金融緩和政策を取り続けた黒田総裁の罪は重い。現在の円安だって余りに米国など諸外国との金融政策の違いから起きている現象であり、日本経済を破綻させないためにも利上げを実行し外国と同調するべきであろう。
昔なら日銀総裁が発する主張は絶対的なものがあったが、SNSの今の世の中にあっては瞬時に庶民にも届いてしまう。筆者もそうだが生活実感に欠ける人の発言は慎重な方がよかろう。
〝裸の王様〟になっているのかな。