時の話題 「卓越した評論紙」
沖縄県石垣市にある「八重山日報」、士別の「道北日報」などと互いの新聞の交換をする中、月2回の発行だが送られてくる「日本時事評論」(山口市)の評論は執筆者の知識・見識が高く毎回興味深く拝読している。
3月4日号には「春の甲子園は見直しの時期 一発勝負の全国大会は年に一度に」との表題の評論が掲載されていた。春のセンバツ予選は前年の秋口、3年生が抜けた1、2年生によって行われ、だいたいがその地域の優勝校が選抜されるのだが、昨年秋の東海地区大会で準決勝戦で敗れる高校が選ばれ物議を醸したのを御記憶の方もおられよう。
同紙では更に二十一世紀枠も選ぶ理由が明確とは言えず、教育的観点からチームを選ぶのは難しく、一発勝負の全国大会を年に二度開催する必要がないし、秋の地区予選はリーグ戦を検討すべきだと論調している。
高校野球ファンの筆者としては春の大会が無くなるのはもってのほかだが、主張は正論ではある。
しかし今小欄の主眼は高校野球ではなく、日本時事評論が展開する卓越した見識の確かさであり、右寄りだが頑固そうな執筆者の様子が想像でき実に面白い新聞だということである。
冬の時代を迎えた新聞業界は今、止めどない部数減により経営が圧迫されているが、媚びずに真実を追求しようとする姿勢は読者の共感を呼び生き延びるものと信じている。
SNSなどネットによる情報が氾濫する中大中小問わず新聞こそが社会の木鐸であらねばならないと肝に銘じている。