件数は減っているが　商工リサ ーチ調べ　２月は恵比須物産倒産

　東京商工リサーチ旭川支店は、２月の道北地方の企業倒産状況をまとめた。
　稚内市で貸倉庫業、珍味販売を手掛けていた恵比須物産が７０００万円の負債を抱え破産した１件だけで、２０１１年９月以降続いている一桁台倒産はこれで１２６カ月連続となった。
　負債額１０００万円以下のため集計外とはなるものの、旭川で居酒屋を経営していたクリエイションが負債６５０万円で破産した。
　昨年同月は２件で負債総額２０００万円だった。
　２月の全道での倒産は１４件（前年同月１５件前月８件）で、２月としては１９７１年（昭和４６年）に道内倒産を今と同一基準で始めて以降、過去最少となったが、負債総額２０億１５００万円（前年同月１８億２３００万円、前月８億６２００万円）と増加。田園都市開発（札幌市・不動産業）の負債６億９０００万円など１億円超の倒産が７件あったことが負債額を押し上げた。
　今後について、倒産件数は抑制されているものの、需要減により売上高は低下し借入金が膨らむ過剰債務が大きな課題として浮上している。
　コロナ禍も３年目に入り業績回復が遅れている企業には疲弊感が見え、事業の継続を断念し廃業を選択する企業の増える懸念もあり原油高や資材・原材料価格上昇も収益を直撃する可能性があり、そのコストアップ分を転嫁するのが難しい企業の苦戦も予想される。
　更には人手不足の問題もあり、倒産は過去最低の水準にはあるものの、増勢に転じる要素を内包しており今後の動向には注視する必要があるとしている。