時の話題 「弥生というのに」

 3月になると本州方面ではサクラが咲く季節となるが、雪深い北海道では1カ月以上も先のことであり、稚内に至っては2カ月も先になる。
 そんな中、「れんげどう」が「おうちでお花見を」と桜と桃の花を入荷し、ひな祭りに飾り桜見しませんかとPRしている。
 花好きの妻もこの広告に興味がある様子で電話で聞いてみるようなことを言っていたが無粋な筆者も影響されたのか、花を愛でる気持ちが40年近い共同生活を経て醸成されてきたようで、この数年、花や植木のコーナーで足を止めるようになり、つい先日には「盆栽でもやろうかな」と妻に話した。
 変われば変わるものである。「花鳥風月など興味はない」と強弁していたのにだ。
 花見といえば東京にいた40数年前、勤めていた会社の上司、同僚と上野公園に花見に行き、花より団子とばかりにどんちゃん騒ぎしたことがあった。無論サクラ見するでなく飲むばかりだったが、若かったこともあり傍若無人に騒ぎまくって宴を終えた。
 3月下旬にもなれば上野公園のサクラは満開になるのだが、コロナ禍の今は集団で花見すること叶わず淋しい光景が広がる。それもこれもコロナ禍が収まらないからだが、遥か彼方のウクライナへのロシアの侵攻で胸を痛めるのは子供達の涙ながらに訴える様子で、プーチンの非情な行動にはそのうち天罰が下るだろうとの思いをしている。
 春を目の前にした殺伐たる出来事は、春を心待ちしている雪国の住民の心情を再び冬に戻し暗たんとさせる。

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