時の話題 「市新年度予算案⑵」
予算案というのはだいたいが雑駁なものであり額の多寡はそれほどの問題ではない。要は国民・道民・市民に対し、どれだけ寄り添った予算を組んだかということに帰着する。
予算案は概して総花的にならざるを得ず、議会で審議し案から削ることもあろう。しかし地方の議会というのは首長寄りの与党の集まりのようなもので数議席持つ日本共産党が反対するだけが関の山で予算案のほぼ100%は認められる。
それだけに首長はじめ職員の行政能力の確かさが大事になり、そういう観点から稚内市の予算案は経済・福祉・子育て等々いい塩梅に策定され、一言で申すと手落ちが無いようには見える。
が、いざ執行となると文句が出るなど軋轢を生んでしまうのは何故なのか。筆者思うに市長などの意図するところを幹部含め職員がしっかり理解していないからでないのか。
「海と大地と風の恵み 人が輝き挑戦し続けるまち稚内」と第5次稚内市総合計画将来像にあるよう▽風力など再生エネルギー適地▽国内冠たるホタテとタコ、コンブ、ナマコの生産地としての優位性▽子育て世代、高齢者などへの福祉―などに加え、ユジノサハリンスクなどサハリン州友好都市との交流推進は他のまちには真似できない事業であり、市長が日頃述べるようポテンシャル(可能性)が高い取り組みが可能なまちが稚内市と言えようか。あとは行政におんぶに抱っこでなく市民の側の意識改革が必要なのは述べるまでもない。
市民の代表たる議員に見識が求められるのは論を勿論俟たない。