時の話題 「御嶽関おめでとう」

 この力士の大関取りはないだろうというのが相撲通大方の共通の見方だったろう。その予想を裏切っての優勝しての大関取りは人生の縮図を物語るようで実に興味深かった。
 その御仁は御嶽海関である。日本人男性とフィリピン女性の間に生まれた御嶽関は類稀な体と運動神経により2015年3月場所に幕下付出10枚目でデビューし、その年の7月には十両優勝し、幕内になってからはさすがに山谷ありの成績だったが、18年7月、翌19年9月と優勝。が、大関には昇進できず、この間、貴景勝、正代に大関取りを越されるという苦渋を舐め今場所で二桁どころか13勝し賜杯を手にし大関確実の堂々たる成績を残したのだ。
 場所中盤まで照ノ富士が盤石かと見ていたが、序盤から苦戦した相撲が多く、ひざへの負担が大きかったとはいえ最終盤に来ての粘り腰が無かった。
 名門出羽海部屋からの横綱は佐田の海、北の富士、三重ノ海以来出ておらず、是非とも4人目の横綱めざし精進して欲しいものだ。長野県からの大関は江戸時代の雷電為右エ門以来(当時は大関が最高位だった)のことで、雷のごとく相手を蹴散らし横綱取りだ。
 さて来場所以降だが関脇より下に有望力士が揃い誰が大関になってもいい群雄割拠と言っても過言でない。その筆頭は元横綱朝青龍の甥っ子豊昇龍と2場所連続し最後まで優勝戦線にいた阿炎か。若隆景・若元春弟兄、琴ノ若も侮れず面白い出世争いになるか。
 鳴り物入りで角界に入っても途中挫折する力士は多い。人生の縮図を見るようである。

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