時の話題 「新成人へ」
いつでもどこでも催しても成人式は華やかだ。着物姿の女性の艶やかさは掛替えのないもので「女に生まれて良かった」と確認する一刻となっただろう。
その華やかさに比べ野郎どもは野暮ったさ一色である。女性のようカラフルでなく、さしずめ引立て役というところか。
身形がどうであれ大人に仲間入りしたのだから目出度い。20歳は先長い人生のスタートともいえ、その感動を忘れることなく仕事を頑張り、よい家庭を築き俗にいう幸せな人生を歩んでほしい。
筆者も47年前、成人を迎えたが、郷里の式には出席せず東京で悶々して生きていた。大学に入ったが、遊びほうけ20歳も大人もあったものでなかった。それでもどうにか生き30歳になる数年前に故郷に戻り稚内プレス社に入り、他人に嫌われながらも記事を書き今に至っている。
ふと妻に「あんたも成人式で振袖を着たのか」と訊くと、ただ一人、洋服で出席したとのことで、似たり寄ったり夫婦だなと思ったものだ。
他人と違っても人は生きていけるし、夫々の存在を認める現代では尚更のこと、皆、一様になることはない。
自分の思いに逆らうことなく唯一無二とは言わぬまでも社会に尾っぽを振らぬ若い時の生きざまが晩年の自分を形づくるのではあるまいか。
余りの頑固一徹は困りものだが、それくらいの胆力持ち易々と迎合しない生き方を新成人に求めたい。
それと地道に努力すること忘れないでほしい。その道一筋という生きざまは誰かが見ていよう。継続は力だ。