時の話題 「興醒ます大相撲」
大相撲秋場所は新横綱照ノ富士が順当に優勝した。千秋楽を前に3敗で追う幕内の妙義龍があっさり負けてしまい賜杯を手にした。
それにしても横綱に次ぐ大関両力士の不甲斐無さには興を醒ましている。給金(8勝)直しが精一杯では地位が泣いてしまう。二人ともがむしゃらに稽古をし、心・技・体の特に心を鍛え直すこと申し添える。その心の鍛錬だが必要以上に神経質にならず「俺は大関なのだから強いんだ」との昇進した時の勢いに加え照ノ富士のよう不屈の精神を培うことだ。
相撲であれ何であれ勝負の世界は厳しい。その非情な世界に身を置いた以上、出世するのが一番の肝所だが、大方は潰れる。我々好角家が見るのは昇り龍のような猛々しさであり現実には夢破れるのがほとんどだとしても、そのようなことは隅にうっちゃり出世した力士同士の戦いを見たいのであり、弱い横綱、大関は即刻引退して欲しいものだ。
引退といえば優勝45回という横綱白鵬が引退の意向を示しているとの報道(NHK)があった。頭抜けた賜杯拝載の大記録があるのに「大」の字は白鵬に形容されない。相撲の取口や普段の所作などがネックになってくるのだろうか。白鵬には部屋を興し年寄になる今後によって大横綱たる冠が被されるかも知れない。大変だろうが尚一層の精進を願っている。
大相撲が終わるといつもなら空虚感に占められるのだが、今場所は無い。大関含め上位が弱いと手に汗握るという高揚感なく興を削がれたからであろうか。次場所に期待だ。