フルーツやました71年の歴史に幕 古くからの常連さんに感謝
昭和25年に創業し、71年間に亘り営業してきた大黒2、フルーツのやましたが31日で長い歴史に幕を下ろし閉店した。体調を崩している店主の山下純一さんに代わり取材に応じた妻の初枝さんと姉の新木和子さんは「色々な方にお世話になりました。ありがとうございました」と感謝していた。
樺太で鉄道関係の仕事に就いていた先代の山下留治さん(故)が樺太から引き上げ、妻のクニさんの実家が営む生花店近くで駄菓子屋を創業。その後は沖底漁業が隆盛を迎えるなど稚内の発展と共にオレンジ通りが繁華街となるのに合わせ、果物だけでなく食料品や生花の販売などに手を広げた。
家族が一丸となり、支え合いながら営業してきたという2人は「先代が大変な時、いつも手を貸してくれたこと、古くからの常連さんが足繁く通ってくれたことなど、人との繋がりにとても感謝しています」と涙ながらに語った。
昭和、平成、令和と時代の移り変わりを目の当たりにしてきた中、自宅兼店舗の窓から見る通りの景色は大きく変わり寂しくなったという2人は「夢中で仕事をしていた日々が今となっては懐かしく感じる。沢山の人に世話になったことは忘れません」と話していた。