時の話題 「観光が危ない」
コロナ禍とはいえ収入が無ければ干上がってしまう。1年半以上も災厄が続くと我慢も限界に達し「これくらいは大丈夫だろう」との思いもあり人流が増えてしまい、つまるところ感染者は増えてしまう。
過日、金融機関で会った宿泊施設の社長さんは「さっぱりです。昨年はGoToトラベルがあり、それなりに観光客は来たが、今年はそのような政府施策もない」と悲嘆に暮れていたが、慰めの言葉を発することも出来なかった。
コロナによって大方の業種が低迷しているが、その一番手は観光に携わる業種だ。とりわけ北海道は水産、酪農など第一次産業と共に観光業の経済に寄与する比重が高いので足許の土台が揺らいでいると言えよう。
利尻、礼文の離島含め昨年は耐えられた。2年目になると幾ら給付金が出ようが凌げるものでなく、経営者ばかりでなく従業員も糊口を凌ぐことさえ叶わない状況に至っているのでなかろうか。
宿泊業者はコロナ以前でも二極化が顕在化し、業績の良い所と悪い所の差が歴然としてあったところでの災禍である。国の支援策は尽きかけているので稚内市独自の救援を経営者、従業員ともども打つ事が急がれる。
海に出て牛の世話をして稼ぐのと違いホテルなど宿泊業は地方からの観光客が泊まってなんぼの世界である。応援クーポンなど弥縫策でなく急所を突く抜本的な対策をしていかなければ業界が痩せ細ってしまい、コロナ終息後の活性化を目論む時に役割を担えないという事態を引き起こさないとは言えまい。