観光、引き続き厳しく 旭川財務事務所 8月判断の道北景況

 財務省旭川財務事務所は、八月に判断した道北地方の景況をまとめた。
 「新型コロナウイルス感染症の影響により観光が引き続き厳しい状況にあるなど持ち直しに向けたテンポ緩やかになっている」と総括した。五月判断と全く同じで、ワクチン接種が促進され各種政策効果もあり持ち直すことが期待されるも今後の感染動向に十分注意する必要があるとしている。
 それによると、5月判断に比べ住宅建設だけは上向き、個人消費、観光、雇用情勢は弱含みを継続し、公共事業は前年を下回った(5月判断は前年を上回る)。
 項目別では、個人消費は▽主要小売店売上で飲食料品は減少したものの、前年見られた一部店舗休業による売上減の反動があり衣料品及び身の回り品など増加▽乗用車は前年見られた生産落ち込みの解消で需要に供給が追い付き前年を上回っている。
 住宅建設は、旭川、留萌、稚内、士別、名寄、富良野6市で持家、貸家、分譲住宅いずれの新設住宅着工数が増加した。
 観光は、旭川、稚内両空港乗降客数、旭川動物園入園者、主要ホテル(旭川市内、層雲峡温泉)のいずれもコロナの影響を大きく受けた前年を上回ったものの、コロナ前の2年前からは下回った。
 雇用は、有効求人倍率が今年4月に16カ月ぶりに前年を上回り、新規求人は医療・福祉の増加により前年を上回った。
 公共事業は、前払金保証請負金額で第1四半期(4~6月)は上川地域で前年を上回ったものの、留萌と宗谷は前年を下回り全体で前年を下回った。
 生乳生産は上川、留萌、宗谷とも前年を下回っている。
 漁業は、水揚げ量は前年を下回っているものの、水揚げ金額はホタテ、毛ガニ、ナマコの増加により上回っている。
 金融機関の貸出金残高は、事業者向け運転資金が増えていることから前年を上回り、預金残高も上回った。
 企業倒産は、件数、負債総額とも前年を下回り落ち着いているとしている。

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