時の話題 「パラリンピック」
上司に怒鳴られたり学校の先生に叱られたりすると仕事場にも学校にも行きづらくなるものである。しかし、だいたいの人々は忍耐し出社・登校しようとする。そうこうして子供→青年→壮年時代を過ごし高齢者になる。
何事も障害がない人生なんて有り得ないものだが、生まれつき障がいを負った人達が辛苦を乗り越え、今、東京で開催されているパラリンピックで懸命に頑張る様子を見るにつけ感涙する。
腕ばかりでなく足も無い人の苦難たるや五体満足に生まれ親や社会に不平不満ばかり言ってきた健常な人間には理解できない苦労があまたある。そのギャップを埋めようとするのがパラリンピックであり、稚内からも自転車競技で藤田征樹選手(36)が出場する。パラ大会には実に4回目の出場となる。
稚内では古くから障がいを持つ人達と健常な人達との交流を推し進めるノーマライゼーション運動が盛んで、なかでも緑ヶ丘学園や木馬館、稚内養護学校がある声問地区は先進的な役割をしてきた。
障がい者だけでなくLGBT(性的少数者)など複雑な事情を抱える人との共生は稚内というマチの成熟度にも繋がり、他者をリスペクトしようとする人間性にも通じる。
よく転勤者が「稚内の人は人情味があり温かい」と言うが、社交辞令ではなく誰でも温かく迎え入れようとする稚内全体の雰囲気が醸し出されているのだろうと思っている。
コロナ禍でもあり9月の福祉フェスタ中止も決まっている。残念だが日常の活動をし福祉の一層の充実を図るしかあるまい。