時の話題 「稚内の月刊誌」
新聞の紙面づくりにとって大切な事は硬軟織り交ぜた内容で、硬い事だけでは見向きはされず、と言っても軟らかい事だけでも早晩飽きられてしまう。要は読者がワクワクするような紙面を作っていかなくてはならない。
知った風な事を述べたが、この面白い紙面が曲者で、偏向してしまうと擬い物呼ばわりされ、これまで幾つもの新聞や月刊誌が創刊しては廃刊するという憂き目に遭っている。
稚内でも20年以上前「グラフわっかない」という月刊誌が創刊され、その写真をふんだんに載せた誌面は斬新だったが、数号発行し廃刊してしまった。
稚内プレスのよう日々読む新聞と違い、じっくり読ませなければならない月刊誌は、市政やマチの経済を丹念に書き込むという辛抱強さが必要で、そういう観点からは月刊誌「月刊道北」の編集発行人の高津豊氏は傑出した人物だ。
齢92歳というのだから恐れ入ってしまう。筆者より25歳も年上だと言うのに腰が低くマチの雑誌として続けている術を心得ている。広告を載せる企業や団体への支援も50年以上も継続し発行している力となっているが、物腰柔らかく取るものは取り(広告のこと)、お地蔵さんのように見えるも批判精神たっぷりに噛ます所は噛ます。変幻自在である。
月刊道北は稚内プレス社の編集長だった兄の信行氏(故人)が創刊。同じ頃、発行していた豊氏の「北方現代」と合併し現在に至っている。
高齢とはいえ矍鑠とした健筆に教わること多く、少しでも長く発行し雑誌の灯消さないよう願っている。