時の話題 「五輪終わって」
1964年(昭和39年)以来2度目の東京五輪が全競技2週間ほどの日程を終え閉幕した。コロナ禍中、開催自体に賛否両論あったがIOC(国際オリンピック委員会)とJOC(日本同)、そして時の総理である菅氏らの思惑によって強行開催された。レガシーとして何が残ったかというと甚だ疑わしい。宴のあとの虚しさを一層感じた五輪大会であったのは疑いない。
IOCの利権、菅総理の打算あろうもテレビ観戦する分には普段の五輪と何ら変わらなかったが、競技に臨むアスリートにしてみれば観客席には誰一人おらず、歓声のない会場には違和感があったろう。
1年間延長されたのに拘らず事態は改善されず、ウイルス感染と隣合わせで競技に没頭するのは、かなり無理があったであろう。
五輪というのは世界一を決めるスポーツの大会であると共に世界平和の象徴となるべき大会である。何事も無ければ世界一が誕生し人種の枠を超えた絆=平和に凝縮されるのだろうが、残念ながら東京五輪は違った。無理に開催したものだから至る所に綻びが現出した大会となった。
健全なる精神は健全なる身体に宿ると言われるが、アスリート第一がねじ曲げられている昨今の商業五輪を物語る五輪として歴史に刻まれるであろう。
しかし、何やかやあっても東京五輪はアスリートとボランティア含めた大会運営によって2週間余の長丁場を乗り切る事ができた。可能であればウイルス禍などない完全な形で開催できたらと今でも思っている。後悔、先に立たずだがね。