時の話題 「不正1万件にも」
新型コロナウイルスの影響で収入が減った事業者らに政府が支給する持続化給付金で毎日新聞は7月16日1面トップで不正受給の疑いがある申請が1万件を超えるとの報道をした。この記事はいわゆる毎日新聞の特ダネで他の全国2紙は抜かれたばかりか後追い記事も書いていない。
昨年1月以降の月の売り上げが前年同月比で50%以上下回った中小企業(資本金10億円未満)に上限200万円給付するもので、昨年5月~今年2月までに約424万件、計5・5兆円給付された。
フリーランス(上限100万円)にも拡大した結果、膨れ上がったものと見られ、税務署職員や中央競馬会の厩舎関係者などの不正受給が判明している。
家賃支援給付金の不正受給もあり、「とに角、審査を早めよう」とするコロナ禍での国の給付への手緩さもあろうが、それにしても詐取1万件とは恐れ入った。
この給付金については当初から火事場泥棒のような騙し取りが横行するだろうと見られていた。それだけ困窮する自営業者らが多くある意味、当然の帰結といえようか。
50%以上減というのは半端な数字でなく、例えば小社の場合、「みなと南極まつり」などイベントの中止もあり、かなりの収入減だったが、精々その50%の半分(25%減)程度で対象にならなかった。
給付金は本当に困っている人に対し支給しなければならず詐欺の温床になるのは本末転倒である。
これ一つ取り上げても日本という国の組織体系の劣化が顕在化している。