時の話題 「現抜かす暇なし」

 稚内信金は、稚内など主たる営業地域にある193社に聞き取り調査した景況を、実績(4~6月)と見通し(7~9月)として公表した。
 それによると4~6月期は1年前に比べ全業種で改善するも軟調感があるとし、7~9月期についてはどの産業も盛業期を迎える3カ月なのだが、コロナ禍での経済停滞への警戒感は収まらず以前としてくすぶっている状況との分析をした。
 基幹産業の水産業は春以降、ホタテ、ナマコ漁、毛ガニ篭漁が行われ、7月からはコンブ漁と順調な水揚げで浜値も昨年同時期に比べると〝コロナショック〟は減じており、そこそこ価格を維持している。
 コロナ禍中となって観光業は最盛期入りしても上乗せ感などなく飲食などサービス業にも上昇感見られず信金さんが分析するよう「軟調」(4~6月)で「経済停滞への警戒感はくすぶっている」(7~9月)というのは正鵠を得ている。コロナの収束が見えず、この先の不透明感を示したものと言えよう。
 災禍中にあっては身動き取れず待つしかないという状況なのだろうが、座して待っていられる余力がある会社は残念ながら稚内には少ない。だからこそ金融機関の融資含めた支援は欠かせない。
 コロナ禍無くても人口減に伴う地域としての地盤沈下が進んでいる当地にあって感染終息後の再生はあり得るのか。今のままではかなり難しいといえ、民間会社の自助努力ばかりでなく市や商工会議所に善処を求めたい。市庁舎建設で現を抜かしている暇ないということである。

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