時の話題 「東京五輪開幕へ」

 23日から東京五輪が始まる。しかし、これほど高揚感のないオリンピックはなかろう。コロナの感染禍が収まらないからだ。
 これほど何やかやある大会は珍しい。エンブレム図案の盗用から始まり、女性蔑視発言の森喜朗五輪組織委会長が辞任し、ここに来て開会式での音楽を一部担当する音楽家も子どもの頃のいじめ問題によって自ら担当を外れる。
 弱り目に祟り目というのは正にこのことで、最大の祟り目である新型コロナウイルスの感染はワクチン接種が進んでいるにも拘らず一向に減る気配になく、逆に増えそうな状況にある。
 加えて大会に参加する外国からのアスリートと関係者の入国によって更なる感染拡大だって懸念されている。
 水際対策だ、ワクチン接種だ―と馬鹿の一つ覚えを連呼する我が国のトップ。政治家の劣化が叫ばれるようになり久しいが、国の現況を物語るよう最も酷い人が玉座に座っているのを否定できまい。
 それにしても何故ここまで堕落してしまったのか。17年8カ月に及んだ坊ちゃん総理内閣がもたらした副産物といえないか。その最たる副産物が現総理でないのか。
 国が滅びる時には立派な宰相は出ず取り巻きも才にあふれた諫臣もいないといわれる。現下の政治状況はピッタリ当てはまる。
 話をオリンピックに戻し、コロナに脅えながらも東京五輪が開幕すれば我々国民は、日本人選手に声援を送り金メダルを取れば歓喜するだろう。無観客でテレビの前だけが盛り上がるという珍妙な光景を現出するわけだ。

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