時の話題 「あす芒種」

 明5日は二十四節気の「芒種」。芒のあるコメなど穀物の種を播く時期という意味合いがある。水温む季節を迎えたという「穀雨」から3カ月ほど経ちコメの種播きが始まり実りの秋を期するわけである。
 このように二十四節気は日本という国の風土に根ざした年中行事の人間の営みと共に四季折々の風情を的確に表現しており、殺伐とした人の世を忌み嫌うかのよう時候の自然に立脚した観点から成る節気を小欄と「天北堆」でよく引用させてもらっている。
 何事も種を播かなければ実を結ぶことはない。社会経済活動では努力しなければ物事は成就しない。
 昨日、小欄を執筆中、東京の不動産会社からアパートを購入し資産形成に役立てませんか―との電話があったが即刻断った。投資するだけのお金を持ち合わせていないのと、普段からお金は汗して稼ぐものとの考えをしており株含め一切この種の投資には手を出さない。
 二宮尊徳さんの足元には到底及ばぬも額に汗し働いた結果として対価を戴くのならいいが、他人の土俵に乗っかり機を見て掠め取るような事をしてはいけない。
 儲けるためなら他人を騙すことも厭わぬ輩がいる。生きるためには手段を選んでいられないのは分からぬでもないが、道徳的には人間失格であろう。
 その点、自然は嘘をつかず今回の新型コロナのような災厄は偶にあるものの、これまで通りの営みを繰り返してくれる。種を播く季節になり程良い雨ならいいが、洪水が起こるような大雨は御免蒙りたいものだ。

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