時の話題 「榮寶丸だ捕」

 稚内港基地の底曳き船がロシア(旧ソ連時代含め)当局にだ捕されたのは何十年ぶりのことになるか。業界の事に詳しい風無稚内機船漁協組合長さえ定かでないと言うのだからかなり昔の話になるのは間違いない。
 筆者の父親(故人)も長く底曳き船に乗りだ捕された事があり船長として新聞やテレビに名前が載った事がある。小学生の頃と記憶しているが、善悪の判断つかずマスコミに名前が載った事で優越感を感じた事もあった。
 北方領土海域でのだ捕は少なくないが、オホーツク海では珍しい事で、ハイテク機器が搭載された船舶のEEZ(排他的経済水域)内への越境操業など風無組合長が述べたよう有り得ない事である。
 サハリン警備局に何か意図的な考えがあったかは勿論不明だが、キナ臭ささを感じてしょうがない。
 コロナ禍によって北海道(水産林務部)とサ州国境警備局との日ロ洋上会談は開かれていないが、開催された時に道は糾弾すべきであろう。罰金(科料)狙いのだ捕は止めにしてもらいたいと厳しく迫るべきだ。
 平成の始めの活カニブームによりサハリンの密漁船がオ海でカニを獲り稚内港に荷揚げしていた頃から10年ほど経過した。取締まりの効果もありロシア船の密漁は激減したため矛先を日本の漁船に変えた事も今般のだ捕の背景としてあるのか。
 ロシアは中国と並び覇権主義が蔓延る。その戦略の一つとして日本漁船だ捕が茶飯事化してはならない。
 外務省、道とも生温くない毅然とした抗議をしていかなければならない。

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