南極越冬も経験 中村稚内地方気象台長

 稚内地方気象台新台長の中村辰男氏(57)は「防災には稚内市など地方自治体との太いパイプが欠かせず住民の皆さんに起きている事を理解してもらうよう努めたい」などと抱負を述べた。
 東京出身の中村さんは東京理科大学卒業した1986年に気象庁に入り最初の仕事が観測船に乗り海洋気象を観測することだった。「凌風丸」に続いて1996年にも「春風丸」(のちの啓風丸)で地球温暖化など海洋変動調査に携わった。
 温暖化の原因二酸化炭素の3割は海で吸収することから海の変化を調査することで地球温暖化のメカニズムを知り正確な予測に繋げようとする業務なのだが、温暖化ガスを吸収することで海が酸性化してしまいプランクトンの棲息環境に悪影響を与えているとし、地球の70%を占める海洋への影響に警鐘を鳴らしている。
 海洋観測業務の合い間には南極観測越冬隊員として第36次(94~96年)、第48次(2006年~08年)に参加し、極寒の地での観測業務に当たり〝極夜〟(昼が来ず夜だけの日が2カ月続く)という過酷な体験もした。前任は新潟地方気象台次長。
 趣味はジョギングで先週行われたノシャップロードレース大会に参加、9月5日開かれるわっかないマラソンにも是非参加したいという。
 約30年の海洋調査業務を通じて「こんなもんでいいやではなく根気よく精度の高い観測をしていくこと」の大切さを訴えていた。

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